生涯現役で働く
人生100年時代となり、松下幸之助が「青春とは心の若さである」と言っているように、いくつになっても元気で若々しくありたいと願う人は多いのではないでしょうか。
本コーナーは、『PHP増刊』とのコラボ企画として、現役で活動されている
シニア世代の方にお話を伺い、しあわせに生きるヒントを見つけていきたいと思います。
第15回
「信用と信頼を積み重ねる」
物流センター業務担当 宮岡百合子さん
会社の商品である資材が並ぶ、倉庫然とした物流センター内に作られた小さな事務所。今回取材した宮岡百合子さんの仕事場だ。取材前に宮岡さんの仕事は「物流センターの受発注業務」だと聞いていたが、現場を訪れて驚いた。なんと宮岡さんはセンターに常駐する唯一の社員だったのだ。30年にわたり、一人で物流センターを管理している。週5日、毎朝9時にシャッターを開け、退勤するのは夕方5時半のフルタイム勤務。
働き盛りの世代と変わらない仕事をこなす77歳の宮岡さん。その生き方が、いくつになっても活躍する場所さえあれば、人は輝けるのだと教えてくれました。
第14回
「仕事は人生の「宝」」
清掃スタッフ 錦織達子さん
派遣先での仕事を午前中に終え、インタビュー場所である株式会社さんびるの本社(島根県松江市)の一室に現れた錦織達子さん。身長は一四五センチと小柄ながら、はっきりとした話し方と、機敏な歩き方はテキパキと仕事ができそうな雰囲気だ。
取材が始まると、錦織さんは開口一番、こう口にした。
「一生懸命、がんばって働いてまいりました」
その言葉を聞いて、これまでずっと自分を鼓舞し、真摯に仕事と向き合ってきた人だろうと確信した。この小柄な体のどこに
生涯現役で働き続けられる強力なパワーが秘められているのか。その源泉を探るべく、錦織さんのこれまでの人生をうかがった。
第12回
「五十五歳から未経験の分野に」
ガソリンスタンド監視員 手塚義倫さん
「手塚義倫です。本日はよろしくお願いします」頭を下げる姿はとても80歳とは思えないほど若々しい。見た目もそうだが、それ以上に雰囲気が若いのだ。この若さの秘訣はどこからくるのか。「なんでしょう。仕事にストレスがないからかな」屈託なく笑う手塚さんの仕事はセルフサービスのガソリンスタンドの監視員である。
このガソリンスタンドで働き始めて10年以上。本当に居心地はよさそうだ。だが、手塚さんの若々しさの秘密は職場環境だけではないはず。手塚さんの生き方、考え方を聞くうちに、生涯現役で働くうえで大切ないくつかのポイントが見えてきた。
第1回
「自分の技術を社会に還元したい」
ベンチャー企業フォトシンスで働く81歳のエンジニア 深谷弘一さん
深谷さんは東京都目黒区の出身で1941年生まれ。NECのエンジニアとして定年まで働き、定年後も好きな仕事を続けようと、マレーシアの若い技術者の指導者として活躍。その後、73歳の時にシニア向けの求人サイトで、IoTの関連機器を開発するフォトシンスと出合い、若者6人で立ち上げたばかりのベンチャー企業へ再就職されました。
フォトシンスは今では従業員167名の東証グロース市場へ上場する会社に成長し、この会社がさらに発展することを深谷さんは楽しみにされています。
そんな深谷さんの働き続ける秘訣とは。